介護について

私は8年間介護士として勤めてきました。その時のお話をしたいと思います。ある一人のご老人の方が、老健からうちの施設に入所したいという希望があり、面接に行きました。その時、目にしたのが、その方が老健ではつなぎ服を着てらっしゃいました。つなぎ服というのは、例えば、お腹にチューブ(胃瘻といって栄養を入れるチューブが直接腹部からでている)やバルーン(自尿が困難な方に必要なチューブ)を抜かないようにその服を着せているのです。そして、車椅子から立てないように、V字体を付けられていました。そこは老健なので、許されていると言えば許されている行為なのですが、そしてそこのスタッフに言われた事が、「はさみなど手の届く所に置かない方がいいですよ」と。そしてその方は、物を食べたいけど、少し飲み込みが悪くチューブから栄養を入れなければならなかったんですが、一応トロミ食で出して、食べないので、チューブから注入してくれとの事でした。その方は、とてもよく話し、お元気なのですが、そういう面では、少し手のかかる方でもありました。そしてうちに入所が決まり、うちでは、つなぎ服はやめ普通の服で生活をしてもらうようにしました。もちろんV字体で車椅子に固定なんてしません。だからもちろん立ち上がろうとされ転倒するリスクも増えました。チューブを抜くリスクも増えました。でも1週間も経たない内にその方は、ご飯を全て自分で召し上がり、チューブからの注入は必要なくなりました。そしてその1年後には、普通のご飯をしっかり召し上がり、少し不安定ですが、歩けるようにもなりました。入歯もつくり、固い物もしっかり自分で噛み召し上がられ、ご家族様も驚きと嬉しさでとても感謝してくださいました。1年でこんなにもレベルが上がったのはなぜだと思いますか??それは、本当に簡単な事で、当たり前の生活を当たり前にしてもらったからなんです。ただそれだけです!!私は本当に嬉しく、その方がご飯やおやつを食べている時の幸せそうな顔を見るのが好きでした。たったそれだけで、その方らしさが取り戻せるって簡単じゃないですか??間違ったケアを続ければ、レベルの低下は1週間もかかりません。向上の方が難しいですが、可能なんです!!!!それを提供するのは、家族と介護士や周りの協力が必要という事を常に頭に入れておいて欲しいなと思います。

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